今回は新たに導入した“EastWest Hollywood Orchestra Diamond(ハリオケ)”を
使って曲を作ろうと思い、制作しました。
冒頭と最後のコーラスは”Omnisphere2”の音色で、
通して出てくる低めのタムの音は”EastWest Stormdrum2”、
残りのオケ楽器は全てハリオケです(Harp音源含む)。
〜ハリオケに関して〜
ハリオケのlong系音色はノートのベロシティではなくエクスプレッションで音の強さを調整する仕様なんですが、
これは逆に考えるとlong系の音はベタ打ちが推奨されているという見方もできます。
もちろん、表情付けをオートメーションのボリュームで書いたりということはありますが、
今回は管楽器の減衰を部分的に書いたくらいです。
この楽曲くらいで良ければ、あまり細かく表情付けをエディットする必要性は感じません。
例えば、ゆったりめの曲で情感豊かに表現したい時とかは、この限りではありませんが。
弦のlong系音色は、そのまま鳴らしてもふくよかに鳴ってくれると思います。
(2018.5.29 補足)
現在は、long系音色の表情付けも全てエクスプレッションで行なっています。
エクスプレッション0にしても音がピタッと止まらずリバーブの余韻が残るので、
現実的にはオートメーションのボリュームで表情を付けるより、
エクスプレッションでやった方がやりやすいです。
ハリオケ導入時には表情付けやキースイッチの使い勝手などの不安はありましたが、
実際使ってみるとそれほど使いづらさは感じませんでした。
音色カテゴリも整理されていて、QLSOより選びやすい印象です。
何より音に芯の強さと説得力があるので、
オケの編成的に一々ユニゾンに頼りまくって分厚くしなくても、聴きやすいです。
よって、音色数の少ないアレンジがQLSOよりしやすい印象です。
〜Omnispere2に関して〜
Omnisphere2(Omni2)のコーラス音色も、案外よく混ざってくれました。
これ、実は日本の子供達のコーラスなんですよ。
音は唱歌みたいなイメージですが、こういう場面でも使えますね。
Omni2は、コーラスの音色バリエーションも結構あります。
一方Stringsの音を比較すると、やはりOmni2より今回使ったハリオケの音の方が表現力豊かです。
〜Stormdrum2に関して〜
今回は低音のタムを使いましたが、他には映画”ターミネーター2”の”デデンデンデデン”みたいな音とか、
日本の大太鼓、細かいパーカス等が入っています。
拡張セットを入れていないノーマルの状態だと、気になった音色はそんなものですかね。
既にStormdrum3も出ていますが、容量が大きい分、音色のバリエーションは豊かみたいです。
一方、響く映画音楽的なバスドラムの音って、ハリオケもSD2もカバーしてなくて、
QLSOには入っていたりします。
〜QLSOに関して〜
QLSOからの移行でハリオケ導入を考えている人も、
QLSO(僕はGoldです)は戦力として残ると思います。
自分の現環境ではハリオケ主体で、QLSO、SD2といいとこ取りしてオケ物を作っていければいいかな、
と考えています。
例えばハリオケのクラッシュシンバルでなく、
QLSOのクラッシュシンバルを使いたいなんて場面もあるかと思います。
ワンポイントでQLSOを混ぜても、結構イケます。
〜その他プラグイン等〜
マスターにLogic付属のリバーブ”Space Designer”、
“WAVES S1”で出音を少しワイドにして、
“WAVES L3”で音圧稼ぎ、
大体そんな感じです。
EQとかは、そんなに弄ってないです。
〜作品全体の雰囲気〜
これは、比較的最近のMMORPG、若しくはオープンワールド系のゲームサウンドに寄せた感じです。
ここら辺になるともう、映画音楽等劇伴系との境界は結構曖昧です。
旋律の主張が若干濃い(流行りゲーム音楽系)か薄い(劇伴映画音楽系)かの差くらいしかないと思います。
尚、今回雰囲気を参考にしたサントラを挙げておきます。
生録音もありますが、比較的打ち込みで模倣しやすいと思います。