はじめに

みなさんこんにちは、作曲家のbeco-です。
今回はイラスト(主にキャラ絵)の上達法を語りたいと思います。
まず、以下の模写イラストをご覧下さい。

ご覧になれば分かる通り、2013年当時35歳だった僕は、簡単な線画模写もろくにできないレベルでした。
次に最近、つまり2020年の現在42歳で描いたオリジナルイラストです。

上級者から見たらまだまだ甘いと思いますが、CGでの色塗りまで含め、7年前と比べ上達していると思います。
正直、イラスト上達法として記事を書くレベルにはないかもしれませんが、僕自身も記録として残しておきたかったので、ここに至るまでのプロセスを記事にしておこうと思い、今回書いてます。
現在30代の方、それより上の世代の方も、下の世代の方も、読んでみて下さいね!


イラスト練習を始めた経緯

(早く具体的な上達法を教えろ、という方は飛ばして下さい)
では、どうして35歳のおっさんになってから、イラストを描き始めたのか。
僕は20代の頃からノベルゲームを一人で作ってみたいと密かに思っていて、当時友人にそれを話して”意味ない”等と言われヘコんだりしていました。
ネット上でもゲーム作りなんて若いうちで卒業した方がいいとかいう意見を、よく目にしていました。
僕は35歳になって大学に入学し、1ヶ月もしないうちに退学届を提出しています。
辞めた理由は色々あるんですが、一番大きかったのは学習効率を上げたいというものです。
自分の場合、独学で何かを身に付けた方がベターだろうと判断したわけです。
そこで白羽の矢が立ったのが、主に英語とイラストです。
英語については今回の主旨と外れるので深くは語りませんが、つらい思い(ぶっちゃけかなり邪魔された)をして一度断念しています。
イラストも現在進行形で、作曲同様邪魔されながらやっていますが、物作りをする人は誰でも、嫌な目に遭った経験が一度や二度ではないでしょう。
それでも、7年ほど継続してきました。

かといって、毎日継続してきた訳でもありません。
つらくて半年くらい描かない時期なんかもありました。
何せ、冒頭に挙げたレベルからのスタートでしたので、下手でつらかったです。
いつになったら自作ゲームに使えるくらいキャラが描けるのか、暗中模索で続けていました。
そして、イラスト練習を始めて4年ちょっと経ったときに、始めてCGで塗りまでやったオリジナルイラストを完成させました。
以下です。

自分の中で4年ルールというのがあって、作曲でもイラストでも大体何でも、
4年やったら一定の成果が上げられる法則というのを、個人的に実感しています。
その道に注力して、もっと上達の早い人もいますが、多くの人は片手間に継続するくらいになるのではないでしょうか。
そういったノリで、僕の上げているサンプルを見て頂ければと思います。

そして、イラスト歴5年程度で、念願のノベルゲーム制作に入りました。
題材は”エンタメ系予備校受験モノ”です。リンク貼っときます。

Cram School

おっさんになってから予備校で学んだ経験が若干活きています 笑
キャラデザは稚拙ながら自分で行い、作りたいものを完成させてしまったので、満足して止めてしまっても良かったのですが、次回作はもっとクオリティを上げて作るかという気になって、イラスト練習は継続することにしました。
関係ありませんが、ゲーム内BGMは全て自作です!作曲家ですから!(自慢にならない)

その後、練習を継続して今に至る感じです。


イラスト上達のために

では、具体的に僕が行った練習等を記したいと思います。
役に立ったことを中心に、疑問符が残るものも参考に取り上げています。

まず、何はなくとも模写です。
自分の場合、”新世紀エヴァンゲリオン”のアニメーション原画集を模写することから始めました(僕の模写していたのは絶版みたいです……)。
なぜこれを選択したかというと、シンプルな線画のみの模写をやりたかったからです。
アニメの原画集で自分の気に入ったものがあれば、それの模写から始めるのはオススメです。
他にオススメなのは、toshi先生のハウツー本ですね。


僕はtoshi先生の絵柄が好きなので、今に至るまで模写することが多いです。
toshi先生はpixivにtipsを色々UPしてくれているので、まずはそちらを参考にするのもいいです。
書籍は、そのまとめ本みたいな感じです。
模写したら、次回への反省点と日付を、最後にちょこっと書いておきましょう
(成長の軌跡として、保存しておいた方がいいです)。
まずは真似して描いてみることから。
紙と鉛筆、あと消しゴムがあれば始められます。


鉛筆削りは大昔に買ったものを使っていました。
練り消しなんかも上級者御用達ですが、僕はそんなに使っていませんでした。
別に最初からデジタルでも全然いいんですが、まずは紙と鉛筆のアナログからでいいのかなと、個人的には思います。


慣れてきたら、ヌードデッサン用のポーズ集を、ほぼアウトラインだけ取って写していました。
好きなお姉さんのを選べば良いでしょう(良いでしょう)……
後の記事で出てくる室井康雄先生によると、練習では上手い絵の模写と実物の線画化が重要とのことです。
アニメ原画集等は前者、ポーズ集は後者の役割を果たします。

ただ模写することに疑問がわいて来たら、知識のインプットをしましょう
(ここら辺の順番はお好みですが)。
ヒロマサ先生の漫画が分かりやすいです。
顔のパーツの比率なんかが、比較的ロジカルに学べます。
まずは最初の一冊を買ってみて、自分と相性が良ければ他のも買い足しましょう。


人物画というと、ルーミス本(やさしい人物画)やハム本(人体のデッサン技法)が有名です。


僕はハム本の方をサラッと1周だけやりましたが、普通にキャラデザがやりたい人はヒロマサ先生の漫画だけでいいのかなと思っています。
ルーミス本は、更に難しいと思います……
これらの有名本が必要なのは、実写系のキャラデザがしたい人だと思われます。
可愛い女の子イラストなり、マンガ絵なりを描きたい人にはオーバーワーク気味です。
真面目に取り組むにしても、もっと上手くなってからでいいのかなと思います。

模写系が進んで来たら、どこかのタイミングでオリジナルイラストに挑戦しましょう。
コツは、”資料を見まくる”ことです。
例えば、イラストポーズ集を参考にしたり、ネット上にある実写系のモデルさん写真を参考にしたりして、とにかく参考資料を”見て描く”ことです。
手の描き方とか、服のシワの描き方、難しいときはどんどん資料を参考にしちゃいましょう。
最初からそこまで行かなくても、例えばほぼ模写なんだけど目の描き方だけオリジナルというのも、練習としてはアリだと思います。
段々オリジナル要素を増やしていけば、いつかは完全オリジナル作品に到達するはずです。
個々のパーツの描き方は、模写で学べます。

また、上記のようなノウハウは、室井康雄先生の”アニメ私塾”動画が詳しいです。
検索すれば為になる動画が色々出てくるので、それらが気に入ったら室井先生の”最速本”なんかも買ってみるといいでしょう。


そうこうするうちに、色が付けたくなって来ましたか?
そんなあなたは、アナログからデジタルへの移行期です!
僕はiMacと板タブ、ソフトはCLIP STUDIO PAINT PRO(以下、クリスタ)という組み合わせで描いて来ましたが、最近はiPad Proにクリスタ(このiPad版は買い切りでなく、定期使用料が掛かりますが)で描いていて、その環境を推したいです。
冒頭の方の2020年最新イラストも、iPad ProとApple Pencil(第2世代)で描きました。
これらを買う人は、ペーパーライク保護フィルムを画面に貼るのも忘れずに。


最近は、iPad Proで寝ながらお絵描きするのがマイブームです。

クリスタの使い方は、ウェブで学べばいいでしょう。
もちろん、初心者用の書籍でも構いません。
そして、塗りの手法ですが、まずはアニメ塗りを学びましょう。
レイヤー構造とレイヤーのクリッピング辺りの機能を理解できれば、
線画に色を塗るということができるようになります。
方法は、ネットで検索かけてみて下さい。
ここでは、ハシケン先生のページの講座を紹介しておきます。

アニメ塗りでクリスタ初心者もデジタルイラストが描ける!メイキング付き

ネット講座等でちまちま知識を仕入れつつ、何枚か描いていれば、
塗りの習熟度も段々上がって行きます。
アニメ塗りの次のステップに進みたい人は、以下の書籍で学ぶと良いでしょう。


僕は現在、美和野らぐ先生の塗り方を主に参考にしています。
自分の好きな塗りを模索、場合によっては組み合わせて行けば、塗りでイラストの完成度を上げることができます。
もちろん、線画も重要ですが。

習慣にするといいこと

pixivでお気に入りの神絵師をフォローする。
ランキングや閲覧者数が上位にくる神絵師の先生方のイラストを、毎日見る。
何か吸収できそうなことがあったら、ちょっと取り入れて真似してみたりすると、オリジナルイラストの質が上がります。
ただ、人によっては自分と超上級者の圧倒的な差に、ヘコむかもしれません。
僕の場合そういうことはなく、日々のモチベーションアップをさせてもらってます。

おっさんになると新しいことを始めるのも億劫になりがちですが、気合いでやる価値があると思える人なら、上達は十分可能です。それから最後になりますが、この記事は2020年6月現在のものであることをお断りしておきます。

以上になります。
長文読んで下さって、ありがとうございました!